好きなもん by hirsato aka IT Legacy

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Le Tout Nouveau Testament(THE NEW BRAND TESTAMENT) / 神様メール

映画「神様メール」 は私の映画(映像作品)ベストテンに見事ランクインした。この文章はここまで読んだら、まずは映画を観ることをお勧めする。

原題と邦題のかけ離れで話題(原題と邦題に「ギャップありすぎ」の映画『神様メール』が話題。邦題はどうやって決めているの? | 日刊SPA!)となった本作は、思わぬ怪作^h^h快作であった。興行的にも振るわないかもしれない、映画の殿堂にも入らないかもしれない。しかし、一部の人達には語り継がれることになるはずた。「医者はどこだ」で有名なつげ義春さんの「ねじ式」が如くに。

役柄にミスマッチな出演者が登場するたびに感じる強烈な違和感、安っぽい美術とセット等、あまりに定石通りの演出(笑いについては「天丼」)、手塚治虫さんの「火の鳥」のオマージュ?など、名作とは言い難い「体」なのは否めない。

むしろその避けられないものを、物語の必然として作品の要素として組み入れたところに監督の非凡さを感じる。良い物語の条件に「史上最悪の残酷な敵の存在」があるがこれすらもクリアしている。エンターテイメントとは「苦痛」を描くものだが、容赦の無さが最後のカタルシスをキチンと際立たせている。

いろいろ書いたが、観る人の経験を写す鏡であることには注意されたい。